2025年3月16日の活動


 

第1グループ

乳がんグループ

膀胱がんグループ

 

珍しく女性の膀胱がん患者が参加したので、病気や治療について知識を深めることが出来たそうです。

また病院の選び方やドクターへの信頼度などについても、話題になったそうです。

珍しい話題では、遺伝子の治療の話も出て、病院の偏りや治療の難しさなど報告があったようです。

 

第2グループ

肺がんグループ

奥様の代理で来られた方から「生活上で見直すことはないか」という話が出て、皆さんで意見を出し合いました。

特に食事面については盛り上がりました。久しぶりに来られた人から、色々ながんを経験しているという話が出て、その体験談に「すごいな」という声が上がりました。

大事にしていることの1つは「開き直ること」「今を大切にする事」という個人的意見も出ました。

 

第3グループ

頭頸部がん(舌がん、中咽頭がん、下咽頭がん、歯肉がん、上咽頭がん)

 

頭頸部がんと言っても、いろいろながんが

あり、その治療法などを皆で共有できた事が今日の成果だったそうです。

頭頸部がんは食べる事やしゃべる事に障害が出るので、そのリハビリのやり方などを教えてほしいという声が出ました。舌がんを始め、口腔がんの人には共通の話題でした。講演などを期待しているということでした。

 

第4グループ

悪性リンパ腫、血液系がん、膵臓がん

 

がん種の違う者同士の情報交換だったのですが、盛り上がっていました。ブログや本などと違って、こうやって集まって話をするのは、それとは違うという感想でした。

退院後の生活は「自分自身の闘い」という観点からの話が多かったようです。

回を重ねるごとに本音が出て来るのもいいという点で共通認識が出来たようです。

 

全体の雰囲気

4つのグループとも、5~7名で編成したら、皆さんよくおしゃべりしていました。

 

どのグループにも進行役を置いたら、皆さんが話題を共有できたせいか、盛り上がっていました。

その結果、隣のグループの声がうるさいという意見も出ていました。

進行役Aさんの感想


 グループでは、他のがん種の方もいらしたので、それぞれの現状をお聞きし、互いの状況に聞き入りました。部位別の患者数に対し、研究が進んでいる部位と進んでいない部位とでの医療の捉え方、向き合い方、対応など違い、互いの苦悩を知ることが出来ました。
 癌に罹患する思いや向き合い方は共通し、共鳴することがありました。同じ部位だけのグループの深まりは出来るかもしれませんが、他の部位の事を知ることで、どこかのタイミングで自分を客観視することで、向き合い方も変わってくるのかもしれないと感じました。
 最初の個々の自己紹介の緊張から、吐き出した後の終わりの頃の雰囲気や話す言葉だとかが違って来たので、よい時間の共有だったと感じました。
 会の始めはこの場のルール(意味合い)を話し、自己紹介から互いにお聞きしたい事、話したいことなどをお聞きし、後は流れに沿って、途切れそうな時などにお声がけしたり、質問して堀深めたりしてみました。
 今回はこのような感じで、それぞれ皆さんしっかりと話されたので良かったと思いました。

主宰者の想い ~絆が育つ患者会を目指したい~


 当会は昨年3月末に解散した「口腔・咽頭がん患者会」から始まりました。いわゆる頭頚部がん患者の集まりでした。

 その当時は30名定員の会議室で交流会をやっていました。左の写真は一例です。

 会の方針は、会員の自発的自主性を尊重することにしていましたので、会員が似た障害を持つ者同士で思い思いにテーブルを囲んで情報交換をしていました。皆さん熱心でした。毎回2時間で会が終わることはありませんでした。

 コロナが終わってからは、大阪国際がんセンターの講堂を使うことにしました。当会「1・3・5の会」は全がん種を対象とする患者会ですので、同じがん種同士の出会いを重視して、がん種別にグループに分かれてミーティングをするスタイルとしました。

 しかしグループによっては、月によって参加者数が変動して、同じがん種の人が集まらないグループも出るようになりました。

 そこで3月度は他のがん種の人も混じることがありますが、各グループとも5~7名で編成するように、やり方を変更しました。

その結果各グループとも話しやすくなったのでしょうか、とても盛り上がりました。

また他のがん種の人の話も参考になることに気付かれたようです。そしてがん患者に共通する話題がある事にも気づき、仲間意識が生まれやすい環境も醸成されて来たように感じます。

屋外イベント:藤井寺市博物館中庭での昼食
屋外イベント:藤井寺市博物館中庭での昼食

 

 上の写真は屋外イベントとして藤井寺市の市街を散策した時の1コマです。

 私たちは博物館の中庭で昼食をしながら、仲間の喉頭手術の是非を議論しました。仲間の一人は口腔がんの手術の影響で夜間に唾液を誤嚥してしまい、救急車を呼ぶことが何度もありました。そこで喉頭を切除して気道と食道を分ける手術を受けるべきか否かを議論したのです。手術すれば、声は出せなくなります。失声するのです。議論に加わっている一人は既に喉頭がんで失声している経験者です。

 彼は手術に大反対でしたが、手術予定のご本人と奥様は、「誤嚥で死ぬよりもマシだ」ということで手術決断派でした。この時は皆で大議論をしました。

 屋外イベントでは、交流会とは違って長い時間を取れるので、お互いに親身になった議論ができるのです。これをキッカケにして「」で結ばれた仲間が生まれました。

主宰者の想い  ~ヘルパーセラピー原理~


 皆さんは、ヘルパーセラピー原理という言葉をご存じですか?

ヘルパーセラピー原理とは、援助を提供する側が、援助を受ける側と同様に心理的な恩恵を受けるという考え方です。

例えば患者会で会員の支援をしたり、会のお手伝いをする人は自己犠牲を払ってでも会や会員のためにボランティアをする人です。そうした人は、他の会員や会のお手伝いをすることで、自己肯定感が増して、自分自身への励みや生き甲斐に繋がり、その人自身も恩恵を受けているのです。

 世間では交流会のようなピアサポートの場で進行役をする人を「ピアサポータ」と呼ぶことが多いです。ただピアサポータとは、ピアサポートの場で相手(仲間:ピアpeer)を支援する(サポートする)人のことですから、参加者は全員がピアサポータなのです。

ですから当会では、ピアサポータとは呼ばずに「進行役」と呼ぶことにしています。

 進行役の役目は、グループの話題を皆さんが関心のある方向に持って行って、話題を皆で共有するというコーディネート役と、参加者がしゃべりやすい雰囲気を作りながら、話題が脱線してしまわないように場を管理するというファシリテータ役の二つを持っています。最終的には参加者が帰りに「今日はいい話が聞けた」、「元気をもらえた」、「次回も来よう」という気持ちにさせることにあります。

 こうした役に誰もが適しているという訳ではありませんが、相手を想いやる気持ちさえあれば、誰でもやれます。

 進行役を経験することで、自分の知識が増えると同時に自己肯定感が向上します。そのことが自分の精神的安定に繋がります。会員の皆様が交流会に積極的に前向きに参画することで、この会を自分達の自発的自主的力で自分達のための会にすることが出来ます。「患者による患者の為の患者会」を創って行けます。

主宰者としては、そうでありたいと考えています。会員の皆様のご協力をお願いする所以です。